フランチャイズ経営の問題点を考える
一見盤石に見えているフランチャイズ経営にも多くの問題があります。
多くのメリットのあるフランチャイズは、成功が約束されているように感じますが、実はそうでもありません。
本部の持つブランドを活用できるのはいいのですが、失敗例も数多くあるのです。
コンビニ店などを見ても、開業してすぐに閉店してしまうことも、よく見かけます。
たくさんお客さんが入っているのに何故閉店?といったケースもあるでしょう。
そこには傍から見ているのでは分からない問題が内包されているのです。
せっかくフランチャイズを始めても、経営が立ち行かなければお店をたたむしかありません。
本部も多少の手助けをしてくれるとは思いますが、決定するのは経営者です。
また、恵まれたフランチャイズで失敗するとなると、開業は向いていないということになるので、再びサラリーマンに戻るほうがいいでしょう。
そのときに、大事なのは借金を抱えていないことです。
多くの借金を抱えて、フランチャイズをしたのでしたら、成功するまでは辞めることができないと思うことでしょう。
しかし、それが、さらなる借金を負うことにもなりかねません。
借金がないほうがいいのですが、借金を増やさないことも大切です。
そのためにも、開業時の資金計画などは綿密に作り込みましょう。
そのうえで、借金が必要となった場合は商才がないということで撤退したほうがいいかもしれません。
売上目標
多くの場合、売り上げ目標を立てることになります。
本部からも目安となる数字を指定されることでしょう。
一日の売上、月間の売上、さらには年間売上などです。
しかし、数字を追うことばかりを考えているのも大変です。
売上目標が達成できないことはよくあるからです。
売り上げ目標というのは、ある程度ハードルを上げています。
言うなれば、ここまで売上を上げたら安泰という数字です。
しかし、ハードルを下げてしまうと、そこに到達すればいい、ということになってしまいますから、売り上げ目標などはどの業界もそうですが、高めの設定にしておかなければいけないのです。
フランチャイズ本部が提示する売上目標は、既存店の売上の平均値などで作られることが多いです。
ですから、参考にまではなりますが、それが自分の見せに合った目標値としては自分でしっかりと考えなくてはいけません。
自己資金が足りなくて、借り入れをしてのスタートでしたら、まずは返済のことを考えなくてはいけません。
さらには人件費も必要ですし、光熱費や仕入れ代金も必要です。
さらには本部に支払うロイヤリティもあります。
それらが全て月々の必要経費となるのですから、それ以上の売上を上げていかなければいけないのです。
ロイヤリティは、売上の数%という場合が多いです。
ですから、まずはロイヤリティを引いて、そこからさらに経費を引きます。
赤字になってしまうと、内部留保から補填しなくてはいけません。
本部からはこのくらいは仕入れをしなさいといった指示があります。
しかし、仕入れ以外の経費を支払って、仕入れ代金がないということになると、販売することができません。
そうなると、仕入れ代金までが借金となってしまうのです。
そこまで行くと、資金ショートも頭をよぎってきますからなんとしても赤字にならないようにしなくてはいけません。
フランチャイズは数字ありきです。
全ての数字が、ある前提に基づいて算出されています。
ですから、全ての数字に意味があり、説明もできるのです。
ここから、損益分岐点が生まれてきます。
フランチャイズで重しとなるのが、ロイヤリティです。
これがなければうまくいくのに…そう考える経営者も多いです。
しかし、これだけの売上をあげることができるのは、本部のブランド力のお陰だということを忘れてはいけません。
資金問題
売上が目標に到達しないということはよくあることです。
売上に一喜一憂していては身がもたないでしょう。
キャッシュフローが悪化して、資金ショートする状態になってしまうと大変なのですが、最初のうちはそういったケースもあるので、開業資金はできるだけ潤沢に持っておいたほうがいいです。
フランチャイズですから、いきなりトップスピードで売上を上げることができます。
しかし、それも最初のうちだけで数ヶ月もしたら、あるいは1ヵ月程度で売上も落ち着いてきます。
その売上の落ち着き度が、低すぎると経営を圧迫してしまうでしょう。
本部でも、キャンペーンなどでカンフル剤を打ってくれますが、やはりお店の雰囲気も大切です。
笑顔の接客や元気の良い接客は集客力を上げる大きな力となります。
資金を気にするのでしたら、少しでも多くのお客さんに来店してもらうようにしなくてはいけません。
それでも、資金問題が大きくなってしまうこともあるでしょう。
資金繰りに苦しくなると、どうしても借り入れをしてしまいがちです。
それで明るい将来展望が開けるのでしたらいいのですが、悲観的なまま借金を繰り返すと火の車になってしまい、結局は破綻してしまいます。
借金ですから、本部が助けてくれることはありません。
最悪は自己破産ということにもなりかねません。
明るい展望がない借り入れは御法度です。
そういった場合は撤退したほうが傷口を広げなくて済みます。
再生の道も残されていますから、できるだけ早い撤退の決断をするべきでしょう。
無い袖は振れないということをしっかりと頭に入れておいたほうがいいです。
そのためにもできるだけ、開業時の借金はしないことです。
これができると、経営が少し傾いた位でも踏ん張ることができます。
闇雲に開業するのではなく、開業資金を貯めてからの計画性のあるフランチャイズが理想的です。
採用を上手にこなす
フランチャイズに限らず、経営者の資質が問われるのが人材の採用です。
特に最近では人材不足が叫ばれています。
そうなると人件費もあがります。
というのも、時給を上げないと募集に応募してくれないのです。
ですから、数少ないスタッフを大事にして、不平不満のないように上手に対応していかなくてはいけないのです。
ここに経営者の資質が問われるということですね。
実際には、フランチャイズ本部での研修で、人心掌握術なども習うことでしょう。
そのようなノウハウをいかんなく発揮して、スタッフを使っていかなくてはいけません。